メールを暗号化する鍵はなんでしょう。
情報セキュリティスペシャリスト試験を目指す女性SE
目的は機密性ですよね。
受信者の公開鍵で暗号化し、それを(受信者しかもたない)受信者の秘密鍵で復号すればいいと思います。
個人的には正解をあげたいが、残念ながら不正解です。
公開鍵暗号化方式では、処理に時間がかかるので、暗号化する鍵を公開鍵暗号化方式で暗号化し、メール本文はその共通鍵で暗号化するのです。受信者には、暗号化した鍵を共通鍵を、受信者の公開鍵で暗号化して送ります。
過去問をみてみましょう。
ここで用いられる非対称暗号(RSA暗号)では,秘密鍵と公開鍵が1対1に対応している。ある秘密鍵を使用して[ c ]した情報は,[ d ]と対を成す[ e ]で復号できる。また,[ e ]を使用して暗号化した場合,[ d ]で復号できる。一般に,非対称暗号は,暗号化するデータ量が多くなると,対称暗号に比べて処理時間が長くなる。効率性の観点から,  S/MMEでは,メールの本文を対称暗号で暗号化し,この暗号化に使用した共通鍵を,非対称暗号で暗号化する。この仕組みによって,送信者が指定した受信者だけがメールを読むことができるので,データ転送の安全性が高まる。(H18SV午後2問2)
この問題の正解は以下です。
c 暗号化
d 秘密鍵
e 公開鍵

S/MIMEのメールが出来上がる様子を、次の図で確認してください。
①メール本文を、共通鍵を使って暗号化します。
②受信者の公開鍵で、共通鍵を暗号化します。これにより、共通鍵は受信者しか復号することができません。
こうやって作成された「暗号化されたメール本文」と「暗号化された共通鍵」がメールに付けられて、S/MIMEのメールが出来上がります。

S/MIMEによる暗号_情報セキュリティスペシャリスト試験

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作成した共通鍵は、受信者の公開鍵だけでなく、
自分(送信者)の公開鍵でも暗号化して添付しているとか?
そうだね。受信者の公開鍵だけだと、受信者しか読めない。そうしないと、そのメールを自分自身がよめないからね。

参考URL
S/MIMEの仕組みはここが詳しい。
http://www.ipa.go.jp/security/pki/072.html

過去問を解いてみましょう。
問41 手順に示す電子メールの送受信によって得られるセキュリティ上の効果はどれか。
 〔手順〕
(1)送信者は、電子メールの本文を共通鍵暗号方式で暗号化し(暗号文)、その共通鍵を受信者の公開鍵を用いて公開鍵暗号方式で暗号化する(共通鍵の暗号化データ)。
(2)送信者は、暗号文と共通鍵の暗号化データを電子メールで送信する。
(3)受信者は、受信した電子メールから取り出した共通鍵の暗号化データを、自分の秘密鍵を用いて公開鍵暗号方式で復号し、得た共通鍵で暗号文を復号する。
ア 送信者による電子メールの送達確認
イ 送信者のなりすましの検出
ウ 電子メールの本文の改ざんの有無の検出
エ 電子メールの本文の内容の漏えいの防止
 (H22秋FE午前)
では、アから順に、なぜ正解かなぜ不正解かを確認しましょう。
かならずご自身で考えてください。

アの「送信者による電子メールの送達確認」というのは、受信者にメールが届いたどうかを確認するという意味。メールが届いたかを「送信者」が確認することはできません。
イの「送信者のなりすましの検出」ですが、これはできるかもしれませんね。よく考えましょう。
なりすましを確認するのは受信者ですね。受信者の行動は(3)のみになります。ところが、今回使っているのは受信者の公開鍵しか使っていません。送信者の公開鍵や秘密鍵を使っていれば、複号することで、本人かの確認ができたのですが、今回はダメですね。
ウの「電子メールの本文の改ざんの有無の検出」はハッシュ値を比較するなどをしなければいけません。
今回の正解はエです。電子メールの本文を暗号化していますので、「内容の漏えいの防止」ができます。

また、この問題をよく見ればわかりますが、S/MIMEにおけるメール本文の暗号化は公開鍵方式ではありません。共通鍵です。なぜそうするかというと、時間がかかってしかたがないからです。