「計算能力の向上などによって,鍵の推定が可能となり,暗号の安全性が低下すること」をなんというか(平成23年度春SC午前2問4)
この問題の正解は、「暗号アルゴリズムの危殆化」。
「危殆」という言葉は、「あぶない」という意味である。それに「化」がつくことで、「本来は安全であったが、あぶなくなる」と考えればいいだろう。意味は問題にある通りで、本来は安全であった暗号が技術進歩などによって安全性が低下することである。

暗号方式には寿命がある。
その点について、過去問で詳しく解説されているので紹介する。

----------ここから(H21年SC午後Ⅱ問1)
D氏:それは、米国国立標準技術研究所(NIST)が定めた、米国政府機関のコンピュータシステムの調達基準のことです。表に示す暗号アルゴリズムを利用したシステムなどの調達は2010年までしか認められていません。
表 米国政府調達基準で現在調達可能で2011年以降調達できなくなる暗号アルゴリズム
分類名称
共通鍵暗号2-key Triple DES
公開鍵暗号鍵長1024ビットのRSA
鍵長160ビットのECDSA
ハッシュ関数SHA-1
D氏:この理由の一つは、コンピュータの性能が上がることによって、数年後には、現在広く利用されている、鍵長1024ビットのRSA公開鍵から秘密鍵が推測される可能性があり、電子署名の対象のデータの改ざんやなりすましが行われる可能性があることです。これに対しては、鍵長を更に長くすることが求められます。もう一つは、ハッシュ関数として現在広く利用されてるSHA-1には、ある条件下でハッシュ値の衝突を意図的に起こすことができる、という脆弱性が発見されていることです。この脆弱性を攻撃されると、電子署名の信頼性が損なわれます。
X氏:なるほど。表の暗号アルゴリズムの問題には今から対策を講じておく必要があるわけですね。
D氏:はい。日本でも政府機関に対して、内閣官房情報セキュリティセンターが2013年までに対応するように求めています。
X課長:これらは政府機関の基準だが、我々のような民間企業でも、暗号アルゴリズムの問題を考慮してシステムを構築したほうが良さそうですね。

参考
SHA-1及びRSA1024に関しては、安全性が確保されないという観点から、政府機関でもより安全なSHA-256などを使う用な指針が出されています。
「政府機関の情報システムにおいて使用されている暗号アルゴリズムSHA-1及びRSA1024に係る移行指針」
https://www.nisc.go.jp/active/general/pdf/crypto_pl.pdf