情報処理安全確保支援士 - SE娘の剣 -

左門至峰による情報処理安全確保支援士試験に合格するためのサイトです。 過去問を引用しながら、試験に出る基礎知識を体系的かつ詳細に整理します。

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2027年度から情報処理安全確保支援士試験が変わる。何が変わるのか

1.制度変更について

1.1 概要

IPAは、2027年度から情報処理技術者試験の制度を大きく見直す予定です。
応用情報技術者試験や高度試験は「プロフェッショナルデジタルスキル試験」などへ再編されます。
一方、情報処理安全確保支援士試験(SC)は独立した試験として残り、名称変更も有りません。
2027年度の新制度による試験は、夏頃~秋頃の開始が予定されています。

1.2 2026年度のCBT化

2027年度の制度変更に先立ち、2026年度からSCはCBT方式になります。
主な変更は以下です。
❶科目名の変更

変更前 変更後
午前Ⅰ 科目A-1
午前Ⅱ 科目A-2
午後 科目B

❷CBT方式へ移行
従来の一斉試験ではなく、指定された試験期間内にテストセンターで受験する方式になります。

❸科目Aと科目Bを別の期間に受験

❹試験問題は非公開になる
CBT化後は試験問題が非公開となり、第三者への開示も禁止されます。
これまでのように、試験終了後にその回の問題がIPAから公開されることはありません。

2026年度(試験は2027年2月~3月)はCBT化されますが、試験内容については従来制度を基本的に引き継ぎます。
つまり、「2026年度のCBT化」と「2027年度からの試験制度変更」は別の変更と考えた方が分かりやすいでしょう。

1.3 2027年度からの変更

(1)科目Bが大きく変わる

最も大きな変更は科目Bです。

項目 現行(CBT化) 2027年度新制度案
科目A-1 50分・30問 45分・30問
科目A-2 40分・25問 35分・25問
科目B 150分 120分
科目Bの出題 4問から2問を選択 12問
※1問1答形式:8問、1問3答形式:4問
の実質20設問
科目Bの形式 記述式 公開サンプルでは選択式
全体の試験時間 240分 200分

現在の科目Bは、長文問題4問から2問を選択して記述する形式です。
一方、新制度では120分・12問になります。
・公開サンプルを見ると、選択式なので、従来のような、「○文字以内で答えよ」という記述がなくなります。

(2)長文問題がなくなるわけではない

ただし、「選択式になる=簡単な4択問題になる」というわけではありません。
サンプル問題を見ると、Webサイトの画面遷移やURL、セッションIDなどの長い事例を読んで回答する問題もあります。

(サンプル問題より)

(3)マネジメント分野が強化される

IPAは、新制度について「マネジメント分野の強化等」を明記しています。
新シラバスでは、例えば以下が重視されています。
・情報資産管理
・リスクアセスメント
・サプライチェーン管理
・セキュリティ監査
・コンプライアンス
・デジタルガバナンス
・経営層への報告、助言

(4)AIセキュリティも強化

・新シラバスではAI関連の内容もかなり追加されています。
・例えば、プロンプトインジェクション、ジェイルブレイク、データポイズニング、モデル窃取、ディープフェイク、AI for Security、Security for AI、OWASP Top 10 for LLM Applicationsなどです。
・AIについては、「AIをセキュリティに利用する(AI for Security)」だけでなく、「AIシステムそのものを守る(Security for AI)」の両面が対象になっています。

2.難易度および受験戦略

2.1 難易度はどうなる?

(1)私の予想

・従来は4問から得意な2問を選択できたが、新制度では12問を幅広く解くため、幅広く勉強する必要がある。また、試験で問われる範囲も広がる。
・サンプルを見ると、問1は3つの回答の組合せを選ぶ8択、問2設問3は7択です。4択ではなく6〜8択の組合せ選択で、当てずっぽうが効かない
・とはいえ、これまで、文字数以内に回答するのは難しかった。これがなくなるので、記述問題としての難しさは下がる。

2.2 合格率は上がるか

(1)参考:基本情報技術者試験(FE)

基本情報技術者試験は2020年度からCBT方式へ移行しましたが、その前後で合格率が大きく上昇しています。

試験 合格率
2019年度秋期(CBT化前) 28.5%
2020年度(CBT化) 48.1%
2021年度 40.7%
2022年度 37.4%

ただし、CBT化されると、ある程度勉強して「受かりそう」と思った人が受けるので、合格率が上がった=難易度が下がった、と一概に言えるものではありません。

(2)SCの場合

参考までに、最近のSCの合格率は以下です。

試験 合格率
2024年度春期 19.3%
2024年度秋期 15.1%
2025年度春期 19.0%
2025年度秋期 22.3%

(1)のFEの場合でも書いた理由と同じで、合格率は上がると思います。

2.3 2026年度を受けるか、2027年の新制度を待つか

・ここで悩むのが、2026年度(試験は2027年2月~3月)の現行制度を受けるか、新制度まで待つか」です。
・すでに現在のSC対策をかなり進めている人であれば、せっかくの機会なので、2026年度に受験する方がよいでしょう。
・一方、まだ本格的に勉強を始めていない人や、記述問題が苦手な人は、2027年度の新制度を待つのも選択肢でしょう。2026年度は記述式のままなので、答案をキーボードで入力する練習も必要です。
・また、それほど決定的な理由にはなりませんが、2026年度試験で科目A-1を通過すれば新制度でも免除申請できるであろうと想定されます。

支援士R7

情報処理安全確保支援士試験の令和7年の過去問(春・秋)を、徹底的に解説しました。
試験制度の変更により、おそらくこのシリーズの最後になるような気がして、つい張り切りすぎました。ちょっとページ数が多くなってしまいましたが、どうぞよろしくお願いします